なぞとき小説　「ポチよ　泣かないで」　　⑪妄想　不自由と孤独を背負った少年の心によぎる誇大妄想のひらめき

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なぞとき小説
ポチよ泣かないで

「英霊」の嘆きを背負った少年はポチの悲哀を再現していく
　幼い日々の不可解な記憶はやがて辿る宿命の暗示であった

この物語は弟の信(まこと)の少年期の記憶
をもとに想定し描いたフィクション小説です

少年編（省略抜粋）
重要な一部を紹介		この11話は少年の未来を暗示する部分
目　次　　　挿　絵　あらすじ		「ポチよ泣かないで」少年編　　青春編

１風の記憶　　３ さまよう猫　　　４ポチ　　７正義の使者
11 妄想 　　16 英霊の塔　　 25 祖母の遺志

スクロール↓　　　

⑪　妄　想


→　ある日、紀生は弟の信（まこと）を自転車の荷台に乗せて山の田んぼに向かっていた。→　↓ 　はしゃいでバタつかせた信（まこと）の足が突然、車輪の中に巻き込まれた。　→　↑		→　↓ 　「あっ痛！痛い！停めてー！」急にペダルが重くなったので（変だな？）と思っていたが、大声で叫ぶ弟の声に驚いて紀生は慌ててブレーキをかけた。・・・略　やがて信（まこと）は紀生に背負われて登って来た。母のチカは心配そうにそのいきさつを聞いた。　チカは棚田の一番上の最も見晴らしの良い場所に信（まこと）を連れて行くようにと促した。　・・・略　←　↓



紀生はむしろの上に怪我した弟を降ろした。「ここに座ってろ、な」「うん・・・」　→　↓ 　しばらくは稲作に忙しく働く母と紀生の姿を見降ろしながら、信（まこと）は一人でぼんやりと過ごした。　　　　　→　↑		→母の脱穀機のペダルを踏む音が絶え間なく聞こえていた。　やがて信（まこと）は、暖かい日差しを浴びながら一人でとりとめのない空想にふけっていた。　（・・・大男の登る階段の棚田、草の絨毯、天からのひばりのさえずり、巨大な牛のような山、綿菓子の雲・・・）　そんな大自然の風景を見ながら、何故か不思議な妄想が次々と浮かんでくるのだった。　・・・略

１風の記憶　　３ さまよう猫　　　４ポチ　　７正義の使者
11 妄想 　　16 英霊の塔　　 25 祖母の遺志

ごあんない

母親のチカを中心とする兄と弟の、未来に
起こる「盛衰興亡」の宿命を暗示していた。
信（まこと）は山で棚田と海の景色を見降ろし
一人ぼんやりと空想にふけって一日過ごす

何か理不尽な障害や不自由や孤独や絶望
を背負ってこそ与えられる少年への閃きは
試練後に与えられる遥か遠い未来に起こる
偉大なる妄想への仕組みを暗示していた。

英霊の嘆きを背負った少年はポチの悲哀を再現
していく　幼い記憶はやがて辿る宿命の暗示・・・
　

あらすじ

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