なぞとき小説　「ポチよ　泣かないで」　　⑯英霊の塔　闇夜の英霊の塔に何かを誓ったまこと　見守る祖母ゼン

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「なぞとき工房」

なぞとき小説
ポチよ泣かないで

英霊を背負った少年はポチの暗闇を再現していく
　幼い日々の記憶は　やがて辿る宿命の暗示

この物語は弟の信(まこと)の少年期の記憶
をもとに想定し描いたフィクション小説です　

少年編（省略抜粋）


小説の重要な部分を紹介		この16話は少年の未来を暗示する部分
目　次　　絵　　あらすじ		「ポチよ泣かないで」少年編　　青春編

１ 風の記憶　　３ さまよう猫　　４ポチ　 ７正義の使者
　 11 妄　想 　　16 英霊の塔　　 25 祖母の遺志

「英霊」は「ポチ」から「ウス」に変身して宝を生み出す
訓練場に戦後世代を導く「闇の声」の主を演じていく・・・
・

16　英霊の塔

（僕は何者なのですか？一体何を背負ってしまったのですか？）→　人を苦しめる程の重い自閉症に陥った信がいた。		→友人が精神病院に入院したと聞いてショックを受ける信。回想省略　本講座で公開　←
信（まこと）は人と関わる言葉を完全に失っていた。・・・省略（人間とは・・・人生とは・・・憎しみとは・・・罪とは何ですか？）　信（まこと）は言葉を失ってから人間関係に悩み真夜中に一人この石碑の上に来て闇に向かって何度も尋ね求めていた。　　　　　→　↓ （朝（あした）に道を聞かば・・・夕べに死すとも可なり・・・）（信（まこと）よ、愛する人を捨ててでも真理を知りたいか？　）（！？・・・・・・　はい・・・）→		→　（もし・・・自分の身に起きた不可解な謎を解く真理に出合うならば家族友人そして大切な恋人までも全てを捨ててもいい・・・）そのことを心の中で思った時、信（まこと）はこの忠霊塔に漂う何か巨大な霊に包まれたような気配がした。人生の意味を知ること無く若くして散っていった「無念の英霊の魂」とひとつに重なっていった瞬間だった。・・・略　→ 　（最近信（まこと）は死んだ息子の芳喜にますます似て来たばい・・・）ゼンはもの静かになった孫を見ながらふとそう思った。幼い頃から信（まこと）は時々芳喜に似たしぐさをすることがあった。　遠い昔の息子のしぐさを思い出していた。・・・略　←



-------　回　想　-------　　　独り言を言いながら畑仕事をしていたゼンが突然叫んだ。「芳喜ー！」　信（まこと）は「うん！・・・」と反射的に答えた。「ハッ？」ゼンは飛び上がるように驚いて振り向き放心したように信の顔をしばらく見つめた。　→（信（まこと）はひょっとして芳喜の生まれ代わりかも知れん・・・もしこの子に何かが起こった時にはおれが守ってやらにゃーいかん・・・）　　・・・略　 →　　--------　回　想　--------		↓ある日畑仕事をしているゼンに不思議な言葉が聞こえて来た。　（ゼンよ、孫の信（まこと）は芳喜と一緒になって、やがて偉大な使命を果していくようになる・・・）　　だが、ゼンはその啓示の意味が分からなかった。　・・・略 ↓



「信（まこと）はいつか将来、立派な仕事をするとぞ。ね！」「何がね！ばあちゃん、信（まこと）は学校で何て言われよるとか知らんちゃろうが！あいつはクラスでは、何も喋りきらん白痴って言われよるとばい！」「知らん！しゃあらしか！」　・・・略 ↓		・・・略 ↓　信（まこと）が忠霊塔で一人で座っているとゼンと信子（のぶこ）が仲良く何か話しながら登って来た。　「おおっ信（まこと）ここで遊びよるとね」「うん・・・」　ゼンは信（まこと）がいつも一人でよく忠霊塔に座っているので不思議な気がした。　・・・略　←
ゼンは信（まこと）をのことを悪く言う信子（のぶこ）の言葉をさえぎって必死にかばった。→略		→「何ん言いよるとか！信（まこと）は今に立派な仕事をするとぞ！」　・・・略