4話 ポ チ
ある日、まことはゼンに連れられて親戚の家に出かける事になった。家を出て駅に向かう二人の後を、老犬のポチは何度追い返してもついて来るのだった。 …略
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…略 スクロール↓
やがて汽車が近づいて来た時、ポチは改札口をあきらめて駅舎の横から線路を横切って走って来た。既に汽車は目の前まで来ていた。「危ない!」誘導していた駅員に大声で怒鳴られ、ポチは慌てて又引き返した。 …略
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まことがしばらく窓を見ていると、線路沿いの国道をトボトボと寂しそうに帰るポチが見えた。「あっ、ポチだ、ポチー!」汽車のガラス戸から手を振るまことに気がつくと、ポチは急に尻尾を振って「ワン!ワン!」と嬉しそうに吠えて走り出した。汽車は次第に速くなっていったが、それでもポチは息をはずませながら必死について来た。だが、忠霊塔の丘を登る道に差し掛かった時、突然柵が前方に現われた。「キャイーン!」「あっ!」柵に激しくぶつかったポチの姿はそのまま見えなくなった。 …略
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「婆ちゃん、ポチは何で連れて行かれるの?」ゼンは言葉に詰まってうつむいた。ゼンの悲しい横顔があった。(何か子供に言えない事情があるのだろうか…?)まことはもう、それ以上何も聞けなかった。すぐに表に飛び出したが、ポチは狂暴な野良犬たちの吠える檻に投げ入れられ、隅っこでブルブルと怯えていた。
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まことが心配そうに近寄ろうとしたとき、ポチを入れた檻の車はたちまち逃げ去るように排気煙を出して走り去った。「ポチー!」後を追って来た小さな主人の姿を見つけてポチは悲しそうな目で「ワオーン」と吠えた。 …略 |
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予告編 つづく・・・ |
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ポチよ 泣かないで
T 少年編 一部紹介 |