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巨大な犬と猿 英霊の願い を背負う兄弟 青春回想記 |
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第 1 話 | |
35 | 愛 執 |
36 | 冷酷人間 |
37 | 再 会 |
38 | 父の死 |
39 | 子 犬 |
40 | 二つの主 |
41 | 光る輪郭 |
40 | 逃避行 |
第 2 話 | |
41 | 兄と妹 |
42 | 祖母の気配 |
43 | 闇夜の なおこ |
44 | なおこ の悩み |
45 | 教義の奴隷 |
46 | 闇夜の二人 |
47 | 消えゆく宝 |
第 3 話 | |
48 | 孤 独 |
49 | 別 れ |
50 | 天の誓い |
51 | 正しき主人 |
52 | 閃きの時 |
53 | 主人の使命 |
54 | 謎解き |
孤 独 やがて半年が過ぎた。まことは勤めていた会社を辞め、アパートを拠点にデザインの会社を設立し独立した。…と言っても、あちこちの不動産や板金屋に名刺を配って廻り、文字書きの仕事を少し貰って、どうにか一人が食っていける程度だった。 別 れ なおこは、いよいよ結婚して家庭を持つことになった。新幹線で旅立つなおこと最後の別れをするために博多駅に逢いに行った。 時間が来るまで、二人は駅の待合室のベンチに座って待った。「今井さん、私ね…今すごく心が不安なの…」なおこは苦しそうな表情で、すがりつくような目でまことにつぶやいた。「…」 まもなく行ってしまうなおこの横顔は、いまだ苦痛の中でもがいていた。まことは痛ましい程に悩み続けるその美しい横顔を、心の中に焼きつけた。 改札口の前まで歩いて、いよいよ最後の別れの時が来た。(今、何か言わなければ僕は一生後悔する…)まことはあせった。(なおこさん、行かないで…僕と一所に暮らして下さい…とそう言おう。一か八かだ・・・)「う・・・」だがそのとき、喉に何かがふさがり声が全く出せなくなった。
一週間過ぎた頃、夜中に電話が鳴った。「はい、もしもし」「・・・」電話の向こうから、すがりつくような、か細い声がやっと聞こえて来た。「・・今井さん…」苦しそうななおこの元気のない声だった。心がまだ迷っていることを感じた。 「ああ、なおこさん…」「今井さん…私ね…」「はい・・・」なおこは次の言葉が出なかった。ためらいながらそのまま沈黙していた。「なおこさんは、今幸せですか?」まことは不覚にもいきなり変な愚かなことを聞いてしまった。なおこは無言のまま、それきり何も答えられなかった。「なーんだ…そんなに嫌だったらそんな結婚なんか辞めたらいいのに…」まことはつい突き放すように乱暴な言葉を吐いていた。 後から考えれば、二人とも教義の呪縛にかかっていたとはいえ、まことの真剣な愛の力でなおこの心を支えてあげ、「虚偽の道」から無理やり脱線させても構わなかった。だが何も出来なかった自分のふがいなさに、たまらなく悔しい思いを抱いて歯噛みするだけだった。 その日以来、まことの夢の中に、黒い悪魔が笑いながら現われては、なおこの体を貪るようにいたぶる「悪夢」ばかり見るようになった。いくら逃げ廻っても、最後は悪魔に捕まって蹂躙されてしまうのだった。苦痛に歪むなおこの逃げようともがく姿や表情が痛々しく浮かんでは消えた。 どうしようもない無念の思いにさらされ、切なくもだえる苦しい夜が毎日続いた。 それでも(いつかなおこが、この呪縛から抜け出して、自分のもとに、ひょっこり戻って来るのではないか…?)と、万に一つの奇蹟を密かに期待して待っていたが、いくら待ってもそんな夢のような奇跡は何も起こらなかった。 天の誓い 正しき主人 協会の実態が、マスコミによって報道される日がやって来た。それは、皮肉にも高貴な方の結婚式と交差する形で現われてきた。 結婚の条件として「心が通じること、そしてプロセスが大切です」と答えられた皇太子の言葉が、まことの心に染み入るように聞こえて来た。 (「理想の相手」の心を射止めるまでの、粘り強い愛の姿勢こそ、真実の人間の正しい生き方だ)と確信するようになっていた。
閃きの時 それは、幼い頃に読んだ「おとぎ話」に登場する人物に関する内容だった。 その中で「花咲か爺さん」の話に、日本民族の辿って来た近代史の予言が隠されている事を予感した。(まず、この内容を一つ一つ実証していかねばならない…)まことは第一のやるべき仕事を悟った。 まことは四十才になるまでに、近代に現れた善と悪の組織を交互に渡り歩き、西欧思想や宗教にさんざん惑わされながら、いつの間にか全ての過程を訓練として乗り越えてきていた。その道は、近代日本の苦悩の時代に生きた先人たちの道を再現する道のように思えた。 まことは気がつくと、鎖国時代から現代に至るまでの、激動する日本の歴史の期間を、個人的に再現して歩まされてきていた。まことは、近代日本の通って来た道を、「雛型」として通過し、その集約した路程を象徴的に負わされ、あらゆる屈辱という試練を乗り越えなければならなかった。 主人の使命 (ん…?この言葉は大切な意味を含んでいる…この言葉の真意は何だったのだろうか…隠された意味を求めてひらめきの妄想世界に深く入っていった。(ハッ!、これは自分の前になおことかずよが同時に現れたとき、なおこのいる世界に引っ張られていく危険な事態に備えての彼女の精一杯に発し続けていた警告を含んだメッセージではなかったのだろうか?)と今頃になって思い当たった。今更ながら、(もしかしたらあの時「正しい主人」の立場にあったかずよは「ポチ」の立場にいたまことに対して、ニセの主人に惑わされて自分から離れたりしないようにと、さりげなくも必死に忠誠を求めていた大切な警告のメッセージだった)とハタと気がついたのだった。まことは無意識にも大切なメッセージを投げかけていたかずよの言葉の意味に気づかずに、うかつにも宝を見失ってしまったというのか…。それはまるで龍が海底に眠る宝を見つけて天に昇ろうとしたとき、もう一つの偽の宝が現れて、せっかく手につかんでいた宝がどちらか本物か判らなくなって思わず手から離して落としてしまった悲しい龍にのようであった。もしも、失くした黄金のタマをもう一度、取り戻すチャンスが与えられるならば、今度こそ、惑わされないで絶対に落とさない!しっかりと手に掴んで天にきっと昇ってみせる…。まことは宝の玉の本物とにせものを見抜く、しっかりとした眼力を持つことが重要だと切実に思うようになっていった。そして(ひょっとすると彼女は正しい主人の果たすべき役割を持っていて、これから始まる「枯れ木に満開の花を咲かせる」為の何かあっぱれなる大切な仕上げの仕事を演じる存在に違いない…)と感じ始めていた。(この大切な閃きを伝えるべき相手はもはや彼女以外にはいない…)だがまことにはかずよに閃きを伝える手段も無く、きっかけも何も与えられていなかった。静かにただ灰のようになった自分に近づいてきてくれるのを待つだけしかなかった。
マークや文字をデザインする仕事を続けながらも、この「謎解きの使命」に心血を注ぎ、訓練としてひたすら打ち込んでいくようになっていく。 まことは、色々な会社のロゴやマークをデザインする仕事を続けていく中で、いつの間にか世界の国の地形や国旗の象徴的意味、そして組織の紋章などに隠された比喩的意味あいと、その「謎と真意」を感覚的に捉える訓練を受けてきていたのだった。 思想、哲学、宗教と、さまざまな世界を彷徨い、『遠回り』をしながら「青春の放浪」をして来たまことが、ようやく辿り就いたデザインの仕事は、まさしく近代歴史に現われて来る、ありとあらゆる組織の本質を見極めて、謎解きの仕上げを完成する不思議な能力をも開発してくれていたのだった。 まことは、妄想と仮説が入り交じった荒唐無稽な小説を書くようになった。霧に包まれた夢のような世界を彷徨って来た知恵遅れの青年が、果して本当に「光の道」を解き明かしていけるものだろうか?…いや兄の私も関わったガス中毒事件による「謎の霧に被われ続けていた不思議な頭脳」だからこそ、その霧が晴れた暁には、「閃きの花」が咲き始め、隠されていた「日本の道」を見究める可能性が有るのかも知れない…。 まことは今、「光の道を備えよ!」という、生きて光の道の真意を明かす預言の使命を静かに始めようとしていた。 そして…この小説の筆者であり、まことの兄であるのりおこと私は、今、刻々と死が直前に迫る病床の中で、ギリギリになって弟の重要なメッセージに気がつき、兄の立場から見たこの家に課せられた使命が一体何であるかを模索する小説を書き終えようとしている。白血病による死への秒読みに入った私の無念の思いは、親族達の雑言を真に受けて、ただただ足りない弟を軽んじて最後まで地上で生きて支えてあげられなかったことである。もしも許されるならば、生きているうちに、犯してきためぐりを清算して、節穴の親族たちの思い込みやとり違いを正したかった。しかし天界から導いていく・・・という、もっとより大きな使命が待ち受けているのならば、身霊の曇りを直すためにあえて命をかけて挑み、私は死をもってこの過ちを償うことで日本民族が大和魂を取り戻す為の条件を喜んで果たして行きたいと思う。これから弟が描いていくであろう長編小説「光の道を備えよ!」の求道編の文章の中で私の魂が甦り、言葉を失った弟の体を借りてやり残した閃きの文を完成させる悲願の執筆を果たしていけるように霊界から導けるならば幸いである。 …遺書 平原遺跡から出土した世界最大の銅鏡(直径46.5p)は、考古学者の世界からほとんど評価されない。「巨大な狛犬」とまことが取り戻すべきものは、壊れた破片ををつなぎ合わせて、復元されていく銅鏡の模様や形に隠されたある法則を象徴する何かである。この地形に隠された狛犬が、赤米と共に長い古代の眠りから目覚めて、ゆっくりと動き始める。 封印されていた三種の神器という宝の正体は、復元された銅鏡と同じ条件がこの二つの家系の間に成就した時に、初めて明らかにされていく。
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まことの課題は伯母のシマと出会うことから、親族一同の課題へと新たな高い次元となっていく。 まことの抱く英霊のポチの課題@と、伯母シマが残した自叙伝から導きだした家訓Aテーマへと… 放浪し彷徨いながら辿り着いた先は、伯母シマや母チカの実家の祖父甚七の暗黒の歴史であった。 まことと伯母シマの抱く共通の人生課題は、歴史的封印を解く新たな「光への旅」へとなっていく。 |
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ウスの訓練…「ポチよ 泣かないで」 m(_ _)m なぞとき講座 へもどうぞ |
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霊の悲願はウスとキネに変身 し 青年を訓練し宝を生み出す 灰へ 神饌として導く天界協助 |
英霊にウスの中へ導かれていく |
全ての道はなぞときに必要な通過すべき路程であった |
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